小さな王様 ～DE ROSA KING XS ～
イタリア御三家と言われるピナレロ、デローザ、コルナゴ、その中のデローザのバイクに縁あって乗ることになったのでそのインプレッションを。
乗ることになったのはKING XS、ラインナップとしてはフラグシップのプロトス、エアロロードのSKと肩を並べるオールラウンドバイクでした。今は無きNIPPOヴィーニファンティーニでも乗っている選手はいた様でフラグシップともセカンドグレードとも取れないどっちつかずの中途半端な位置づけです。ちなみに今はオーダーラインのブラックレーベルのカーボンモデルとしてKINGの名前が残っています。
KING XSとXSの文字が入っていますが、ここでいうXSはサイズではなくグレードを表しています。イタリアで酒を評価する際の最高グレードの事を言うそうです。いかにもイタリアらしい決め方だと思っていたのですが2018年頃からKINGに統一されてしまいました。
身長170㎝、サドル～BB約695mm、ブラケットトップ～サドルトップ約695mmで乗る自分のサイズは51SL、SLはスローピングの事で他モデルによってはSLの付いていないホリゾンタルモデルも存在する。この表記はコルナゴなんかもしていますね。ステムはEASTON EC90 SL 120mmの物を付けポジションを出しました。
コンポはEtap、ハンドルはENVE、クランクはRotorとあまりイタリア車に見られない構成を狙って組んでみました。コンセプトはあくまでもレーシーに
さて乗ってみて1番最初に感じたのはダンシングの振りやすさでした。
BBハイトの影響か少し腰高の感じがするフレームは振った印象がとてもよく、ニールプライドやカレラ等の超軽量に振ったバイクに近いものを感じました。
シッティングでのペダリングも変な動きは無く、下死点をスムーズに通過させる意識で回してやると綺麗にリズムよく進んでくれる。剛性の塊という訳ではないので踏んだ場合も程よくしなりながら進んでくれるので懐が深いイタリアンバイクらしさを感じます。
各パイプがエアロ形状になっているおかげもあってか下りや平坦ではLOOK595に比べて速度が落ちにくく維持がしやすい気がします。本気のTTバイク、KOGA TEETEEや後の世代エアロロードTIME SKYLONには若干劣るでしょうか。
ハンドリングはクイックで細い所にも突っ込んでいきやすのはレースユースとしては非常に助かります。LOOKやTIME等は安定感がとてもあり手放しをしても楽に進んでくれるのでそれに慣れていると少し怖いと思うかもしれません。
スローピングでシートポストが出ている事、DMによってシートステイにブリッジが無くなった事による影響もあるのか振動吸収も良くライド後半も体力が残りやすいです。
またブレーキは始めてつかうダイレクトマウント方式、思った以上にかっちり効きコントロール性も十分だったので、少し驚いています。（グレードはレコードなので効かないと泣きたくなるのですが…）
チェスや将棋の王の様に総じてバランスが良く何でもこなせるバイクという印象でした。
手持ちのホイールだとレーシングスピード、SES4.5との相性が良かったです。軽すぎるホイールを入れるとダンシングの軽さと相まってリズムが取り難かったです。
ネガティブなところではジオメトリーの影響か下りのラインがなれるまで掴みにくかったです。
リアのブレーキはBB下に付いており整備性が低く、ホイールを交換する度のクリアランス調整が面倒でした。BB下にブレーキがある影響かリアホイールのタッチが起こるというのが気になりました。
また塗装がイタリアンクオリテで（made In TAIWANだが）ロゴ、ヘッドマークがデカールで安っぽいというコストカット問題で高級感が薄れているのは事実でしょう。
別でチタンモデルのANIMAにも乗った事がありますが、そちら同様に危ういポイントがなく安心感があるバイクでした。
これがロードバイクなのだと歴史から、ジオメトリーから語ってくるDE ROSAのバイク、これからもっと乗り込んでみたいと思います。
